通信販売の原型は、19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったカタログ販売だとされています。鉄道や郵便制度の整備が進んだ時期でもあり、わざわざ都市部まで買い物に出掛けなくても済むということから、地方の農民を中心に新しい販売手法として受け入れられました。
19世紀末には、既に大手のカタログ通販業者が出現し、今日の通販業界の基礎が作られています。日本で最初に通信販売が試みられたのは、明治9年。
農業系の雑誌の中で、アメリカ産トウモロコシの種が商品として宣伝されたのが始まりです。しかし、戦前の日本の商習慣にそぐわなかったのか、日本において通信販売が本格的に確立されるには、戦後の高度成長期の到来を待たなければなりませんでした。
60年代の黎明期を経て、70年代にはテレビ・ラジオショッピングの放送が開始され、80年代には宅急便の発達により、商品の配達環境が整いました。
そして、何よりも決定的だったのは、1990年代以降のインターネットの普及です。通信販売という手法が世間一般に一気に受け入れられ、扱われる商品の内容も、生鮮食料品から大型家電製品まで、それまで通販には適さないと思われていたあらゆる商品が対象となりました。
パソコン通販のように、主に高額な商品を専門に取り扱う業者が成立するには、やはり消費者側の意識の変革が最も重要であったと言えます。
そのような感覚が日本人に根付くまでには、明治初期の頃から数えて、実に120年もの歳月がかかったのです。
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